私は会社の年金制度の変更で企業型確定拠出年金を使用しています
2年程前に確定給付年金(企業年金)が企業型確定拠出年金に変更となりました
企業型確定拠出年金について私の経験をふまえて記載します
企業年金制度について
企業年金は古くからある確定給付年金(企業年金)と最近増えている企業型確定拠出年金があります
確定給付年金(企業年金)【企業型DB年金】:企業が利率数%(0~2%)で積み立てる年金制度
確定拠出年金【企業型DC年金】:企業は従業員に毎月一定額を渡し、従業員が会社指定の証券口座で投資商品を選択し積立てる年金制度
会社が積立てる or 自分で商品を選んで積立てる の違いのみです
確定拠出年金に切り替わる時の説明資料内に記載があったのですが、私の会社の場合確定給付年金の会社の利率は0.1~0.4程度だったみたいでかなり利率が低かった事が分かりました。
企業型確定拠出年金について
会社指定の証券口座で、会社から一定額を受け取り投資商品を選択して運用する企業型確定拠出年金ですが、従来の確定給付年金同様、制約と特徴があります
企業型年金の制約と特徴
①60歳以上でなければ受け取れない(死亡、障害者を除く)
②財産の差し押さえ対象外
③一括受け取りと分割受け取り、一括&分割受け取りの受け取り方が決められる
④③の受け取り方によって税金控除額が決まる(受け取り方をミスすると税金が増える)
企業型確定拠出年金は自分で運用する事になりますので、以下の特長があります
企業型確定拠出年金の特長
①会社からの支給額に対し、給料として受け取る or 確定拠出年金として運用するかが選べる
選択は10%毎の比率で選択可能。但し月1000円は最低金額確定拠出年金で運用する必要有。
例:給料として給付:10% 確定拠出年金として運用:90%
②会社指定の金融機関で指定商品のみ選択可能
例:三菱UFJ銀行で米国株式だと野村DC海外株式インデックスファンドMSCI-KOKUSAIを選択しなければならなく、信託報酬(手数料)が高い(人気のeMAXIS Slim米国株式やeMAXIS Slim全世界株式を選択できない)
③会社員や公務員、自営業等の職業別で月当たりの投資金額が決まっている
例: 会社員:5万円以内、公務員:1.2万円以内、自営業者:6.8万円以内
④会社からの支給額に加え、同額を上限として個人で追加投資するマッチング拠出が使用できる
又、マッチング拠出分は節税になる
⑤個人型確定拠出年金(iDeco)と違い、手数料は全て会社負担
⑥利益に税金がかからない。但し、受け取り時の金額によっては税金がかかる
税金について
NISA同様、税金優遇がありますが、条件によっては加算もあります
税金優遇について
①拠出時の個人で追加投資するマッチング拠出分が税金控除となる
所得税、住民税を計算する時の所得金額がマッチング拠出分控除(減額)となり所得税、住民税が少なくなります
1.所得税の減税は以下の表で決まりますので、
例:課税所得金額4,000,000円の会社員でマッチング拠出金額で2万円/月実施の場合、
所得税税率20%、年間マッチング拠出金額24万円より、24万円×20%=4.8万円の所得税控除
2.住民税の減税について
住民税は一律10%より、
例:課税所得金額4,000,000円の会社員でマッチング拠出金額で2万円/月実施の場合、
住民税税率10%、年間マッチング拠出金額24万円より、24万円×10%=2.4万円の住民税控除
②受け取り時、一括受け取りの退職金控除と毎月受け取り時の税金
受け取り方法として一括受け取り、毎月受け取りがあり、どのような比率で受け取るか?どれだけ積立てているか?によって税金が変わります
1.一括受け取りの場合:退職金控除の金額分税金がかからない
退職金控除については国税庁のhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htmのページを参照下さい
(資産評価額(拠出元本+利息)-退職金控除額)/2に対して税金がかかります
この金額を退職所得の源泉徴収税額の金額分が支払う税金となります
退職所得の源泉徴収税額については国税庁のhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2732_besshi.htmに詳細があります
例:確定拠出資産評価額:1,000万円、勤務年数:21年の場合
課税退職所得金額:(資産評価額1,000万円-退職金控除(40万×20年+70万))/2=65万円
課税退職所得金額65万は所得税率5%より、65万×5%×102.1%=3万3千円
3万3千円の退職所得の源泉徴収税額となる
*上記は退職一時金が0円の場合であり、退職一時金がある場合は、資産評価額に退職一時金を追加する必要があります
例:確定拠出資産評価額:1,000万円、勤務年数:21年、退職一時金が1,000万円の場合
課税退職所得金額:(資産評価額2,000万円-退職金控除(40万×20年+70万))/2=1065万円
課税退職所得金額1065万は所得税率33%より、1065万×33%×102.1%=358万8千円
358万8千円の退職所得の源泉徴収税額となる
2.毎月受け取りの場合:年金と合わせた受け取り金額に応じて各種税金がかかる
③確定拠出年金としてではなく毎月の給料として受け取りの場合の所得税、住民税の加算
給料所得や年金所得と合算した所得金額に対して税金がかかる事になります
給料所得や年金所得が少ない方は確定拠出年金を毎月受け取りとしても良いと思いますが、
大半の方は退職一時金として受け取る方が税金が安価になる場合が多いそうです
一時金として受け取ると、急に入った大金を無駄遣いして老後資金が不足するリスクがありますし、毎月受け取りの場合はいつまで生きるかわからず早くに亡くなった場合損する為、判断が難しいですね。
まとめ
今後退職金控除が少なくなったり、所得税、住民税の税率が上がる事を考えると給料受け取りで新NISAで運用する方が、結果として資金が貯まる事になるかもしれませんが、60歳まで資金拘束される確定拠出年金は、税金控除のメリットもあり確実に老後資金確保する上で非常に有効な制度だと思います。
企業型確定拠出年金に変わる事で、勤めている会社が利息分を払う事を止めたとも捉えられますが、自分で商品を決定でき運用できる為、より多くの老後資金を確保できると共に、会社が溜めていた企業年金を早く貰える事で、いつでも転職、退職できると良い見方もできると思います。YouTubw等でも解説されている方が多数おられますので、共に学んで老後苦労する事の無い様、備えていきましょう。
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